制作の日々、出店レポート、革のこと。 ブランドの裏側を少しだけ
2026/06/11 08:47
こんばんは🌙
🇹🇼台湾出身のバッグデザイナー、
syu_uiiiです。
実はこの数日、
久しぶりに台湾の実家へ帰省していました。
何年ぶりだろう。
そんなことを考えながら飛行機を降りると、
あの独特の湿度や、
空気の匂い、
街の音までもが、
なんだか懐かしく感じました。
……なんて、
少し感傷に浸る暇もなく。
空港に着くなり、
家族に回収され、
そのまま親戚の集まりへ。笑
そして始まる、
毎度恒例の「公開処刑」。
「だから昔から言ったでしょう。」
「いつまでそんな夢みたいなことやるつもり?」
「親に心配ばかりかけて。」
「もういい歳なんだから。」
「もっと現実を見なさい。」
「努力が足りないから今のままなんじゃない?」
「周りのみんなを見てごらん。」
久しぶりに会ったはずなのに、
気づけば大勢の親戚に囲まれて、
説教大会が始まっていました。苦笑
何か言い返そうにも、
大人数を前にすると、
結局何も言えなくて。
ただ一人、
笑って、
頷いて、
「そうですね。」
と返しながら、
きっと悪気はないんだろう。
きっと自分のことを思って言っているんだろう。
そう思おうとしながら、
ただ静かに、
その言葉を一つ一つ受け止めて、
ひたすらその時間が過ぎるのを待っていました。
なぜか途中から、
目の前の景色が少しだけ滲んで見えて。
テーブルの上のコップに手を伸ばして、
もう一度だけ、
「そうですね。」
と小さく笑っていました。
正直、
自分なりには、
頑張っているつもりだけどな。
そんな言葉だけが、
誰にも聞こえないように、
心の中に残っていました。
そういえば、
小説『52ヘルツのクジラたち』に登場する、
「世界で一番孤独な鯨」。
ほかの鯨たちとは違う周波数で鳴くため、
仲間には声が届かず、
長い間、
たった一頭で海を旅していたと言われています。
本当に孤独だったのか。
本当に仲間がいなかったのか。
それは誰にも分かりません。
ただ、
誰にも届かないかもしれない声を、
何年も、
何千キロもの海を旅しながら、
鳴き続けていた。
海の上から見れば、
ただ静かな海にしか見えない。
けれど、
誰にも聞こえない場所で、
今日もどこかの鯨が、
誰かに届くことを信じて、
静かに鳴き続けている。
そんな話を、
帰りの飛行機の窓を眺めながら、
ふと思い出していました。
